2007年02月14日

【Thema2.14】崖っぷちで気づいた、ごく当たり前のこと

【Thema2.14】崖っぷちで気づいた、ごく当たり前のこと


輪ゴムが伸びるということは、
知らない人はいない。

伸びきったら切れてしまうということも、
みんな知っている。

でも、その輪ゴムがはたしてどれだけ伸びて、
どこで切れるのかということを知っている人は、
おそらくほとんどいない。




もし輪ゴムの限界を子どもの頃から知っていたら、割りばしの
輪ゴム鉄砲作りにもっと夢中になっていたのかな。
鉄砲には紅い薔薇がつきものである。
ゴム鉄砲にはピンクの薔薇がつきものである???


〈お持ち帰り〉情熱とチャレンジスピリット

つて、某雑誌で「とにかくトライしてみる」という趣旨の連載記事のある回に、輪ゴムを題材にしたことがありました。「輪ゴムを使ってとにかく何かをトライしてみる」。しかし、考えはじめて数日、わざわざ記事にするまでの切り口がなかなか見つかりません。自分でもなんてくだらないことをテーマにしてるんだろうと思い、同時に、輪ゴムごときに一ヶ月も費やして、なにも生まれなかったらどうしようという不安がよぎりました(雑誌の恐ろしいところは〆切があることです)。

りどころはたったひとつ、「何だって、ひとつぐらい必ず面白い切り口が見つかるはず」ということ。しかしその愚直なまでの思いは、私が編集者として大切にしている部分のひとつで、このときも結果的には自分をつき動かす推進力になったのです(輪ゴムがどれくらい伸びたら切れるかという装置を自作したのです。簡単そうに思えますが、痛みを伴わず正確に輪ゴムの切れるときの長さを測定する装置を作るのは、なかなか大変なことでした)。

心して装置ができてしまうと、不安はどこへやら(きっと、今の時代こんなくだらないことをしている人は世界中見渡してもそうそういないと思ったからでしょうか)。それからというもの、毎日夜遅くまで、一心不乱に輪ゴムのばしに精を出しました。その甲斐あって、結果はいい意味で期待を裏切るものとなり、満足のいく記事を書くことができました。

白さは意外と近いところにあるもの。でも、それを見つけることは思いのほか大変で、その葛藤が手作りの温もりとして読者に伝わるものと信じています。

かにぶつかって前へ進めなくなったとき、あの崖っぷちのチャレンジスピリットを思い出します。

Posted by 『sizo:ka』編集室 at 14:49│Comments(0)
 
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